はじめに
仙台の音ゲー大会では鍵(25歳2chクソコテ)の実況が名物となっており、その評価は高い。
このエントリでは、彼のスタイルを参考に音ゲー大会における実況のあり方について考察したい。
ちなみに本人は「中野TRFの格ゲー実況をパクった」と嘯いている。
実況の役割
マイクを何本も用意できない一般的な規模の音ゲー大会では、実況はスポーツ中継における「司会進行、実況、解説」の三役を兼ねることになる。それぞれの役割を検討すると、
- 司会進行 運営を主導し、円滑に大会を進める役割
- 実況 大会の様子をリアルタイムで説明し盛り上げる役割
- 解説 大会の様子に注釈をつけ、参加者の理解を深める役割
である。運営上最も重要なのは司会進行であるが、大会を盛り上げる最大の原動力となるのは実況・解説の仕事だろう。
いまいち状況が掴めていなくても、実況が声を張り上げれば「盛り上がるべき場面」と伝わって場は興奮するし、その状況をうまく解説できればさらに参加者の興奮は深まる。
上級者同士のガチ大会ではわざわざそうした実況を入れなくても十分にプレイングだけで盛り上がることもできるが、一般プレイヤーが遊んでいる様子を見せ続けながら「飽きさせない」ことは非常に難しい。
司会進行は「できて当たり前」であり、そこから一歩ステップアップすることが必要とされるのだ。
音ゲー実況の難しさ
ここで問題となるのが、「音ゲーのプレイは他人から見て単調になりがち」という点であろう。
特にランカーでもないプレイヤーの2分間の戦いの最中、間を持たせ続け話を途切れさせないことは非常に難しい。
ちょっと試しにYouTubeで適当な中級者の音ゲー動画を再生しながら、2分間その動画の内容について喋り続けてみてほしい。
できただろうか?よほどそのゲームと曲に精通しているか、プレイヤー自身について詳しいかでなければまず無理だろう。
KACではいまいちゲームに詳しくない司会たちが、間を持たせるためプレイ中に出場者のプロフィール紹介をして顰蹙を買う場面もあったが、それも無理からぬことなのだ。
ランカーのプレイについてさえ、知識がなければ上手に喋ることは難しい。ましてや一般プレイヤーについてであればなおさらなのだ。
鍵の実況スタイル
実際の鍵の実況の様子をいくつかの点から参考にしたい。
褒め上手
例
- 「順調にコンボを伸ばしていく!」
- 「順調にスコアが伸びている!」
- 「まだBADが出ていない!」
- 「なんとまだパフェペース!」
- 「それにしても叩き方が独特だ!これはみんなも参考にすべき!」
- 「さあ難所を繋いだ!」
- 「これは高スコアが期待できそう!」
- 「なんという執念!」
- 「さあスコアは…、なんと惜しくも89000点!しかし自己ベを更新だ!」
- 「拍手!!」
ちょっとしたことでも大げさに褒める。
間を繋ぎ、プレイヤーを鼓舞し、参加者にプレイのポイントをアピールできる。
煽り上手
例
- 「次は俺のパシリとして有名なZON!早くメロンパン買ってこい!」
- 「あいつ昨日『優勝余裕』とかほざいてましたからね!フラグ回収してしまうのか!」
- 「オプションはランダムを選択!!これは汚ーい!!」
- 「おやぁ〜!?コンボを切ってしまった!」
- 「しかし諦めない!2chで晒されてもめげないこのメンタルゥ!」
- 「この時のために前日コソコソ練習した様子を俺は見ている!」
- 「さあ自己ベを更新!さすがこの男、汚い!!」
上級者、ヒールには厳しい。
そのプレイヤーのちょっとした面白エピソードを暴露したり、定番ネタで煽りに行くことで参加者を楽しませる。
まとめ
まずはできるだけ間を持たせられるよう物量で喋り倒してみる。声が出れば参加者も注目するし活気も出る。
そのために知識を惜しまず吸収すること。ちょっとした小ネタでも面白い。
褒めて、煽ること。自分のことを言及されればみんな嬉しい。参加者と普段から関わりネタを作る。