リゼット(14新)推奨日記

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非エンジニアがネスペ、セスペ、デスペに合格するまでにやったこと

情報処理推進機構(IPA)が開催する国家試験「情報処理技術者試験」の高度試験3分野「ネットワークスペシャリスト試験」「データベーススペシャリスト試験」「情報処理安全確保支援士試験」に合格したので、試験に関してやったことなどをメモします。

現状、スキル

大学は文系、非IT企業の総合職としていわゆる「情シス」に配属されて約6年、何でも屋としてパッケージ導入やインフラ整備、システム運用、社内サポートデスクをやっています。
コードを書くことはあまりなく、業務では必要に応じてVBA、シェル、SQLを書く程度。個人で簡単なLAMP環境構築、Webサイト運営はやったことがある他、最近はITベンチャーの勉強会に混ぜてもらってReact、TypeScriptなどのモダンなWeb開発の基礎知識を得ています。

前段の試験

前段階として、基本情報技術者試験応用情報技術者試験に合格しています。
午前問題については、いずれも、ほぼ「過去問道場」(ググってください)で直近不正解がなくなるまで過去問を回すだけで合格点が確保できます。
ただし、基本情報技術者試験応用情報技術者試験それぞれ、後の試験に備えて適当な参考書を一周ざっと読むことをオススメします。
暗記する必要はありませんが、ぼんやりこんな話があったなと引き出しを増やしておくことは「受けただけ」にならないためにも大事だと思います。
午後については、問題選択等で以下に注意する必要があります。

午後に言語問題があります。自分はExcel VBAをよく書いていたので特段悩まず表計算を選べました。
普段からやっている言語があればそれでいいし、なくてExcelにも馴染みがなければCASL勉強するのがいいんじゃないでしょうか。

午後に初めて記述式の問題が出ます。本職エンジニアは選択問題の中から回答が白黒つきやすそうなアルゴリズム、ネットワーク、データベースなどを解きたくなりがちですが、損な選択肢だと思います。
システム設計、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査といった上流・ユーザサイドの問題は知識がなくとも読み込めば国語力で解けるのでオススメです。
また、アルゴリズムと経営戦略の選択がありますが、経営戦略の方が明らかに簡単かつ時間を取られません。ここだけ過去問何回分か見ておくと傾向がつかめます。
自分はこれらを選択し、周囲の受験者が時間をかけている中、最短の60分で解き終わって途中退室したにもかかわらず十分な得点で合格できています。
午前はさすがにこちらの方が難しかったですが、午後に関しては問題数も少なく、基本情報より簡単だと思います。

高度試験(デスペ、ネスペ、セスペ)

いずれも、午前I免除で合格しました。かなり気持ちの余裕に繋がるので、応用情報から間を開けずに免除ありで受けた方がいいと思います。
参考書は、いずれも合格教本シリーズを一周しっかり精読することで午後問題を解くのに十分な前提知識を身につけられます。
午前IIは、必ず過去問から6割以上出るので前段の試験同様に過去問道場を回すだけで十分ですが、参考書を確認しながら暗記ポイントを見つけていくと効率がよさそうです。
午後に関しては以下に注意したいところ。
共通点としては、案外時間がないので、詰まった問題では悩まず仮の答えを書いておいて、全体を一通り解ききってから詰まった問題に戻って書き直した方がいいです。
あと問題の選択、終わってから「本当に問1にマルつけたっけ…?」と不安に襲われるとつらいので絶対最初に書きましょう。

2018年秋期に受験し、一回で合格しました。
午後Iで知らない分野の問題が出て問題選択でフリーズすると時間がもったいないので、合格教本の過去問を一通りさらって浅く広く耐性つけておいてよかったと思いました。
午後IIでは逆にまったく知らないプロトコル(MQTT)に関する問題を、「パケットの種類とか通信シーケンスとかわざわざ記載されているということは、知識じゃなく読解力で解かせる問題に違いない」と踏んだところうまくいきました。

  • 情報処理安全確保支援士試験

2019年秋期に受験し、一回で合格しました。
ネスペの知識(特にL3周り)を使える問題が多く、特に過去問は解かなくても大丈夫でした。

2020年秋期、2021年秋期に受験し、二回目で合格しました。
一回目の敗因は、論理設計問題の中核となるER図を書く練習をしなかったことだと思います。
過去問はある程度解きましたが、他の試験同様に「問題を読む→答えを考える→解答を見る」で済ませ、ER図は記法の確認に留めたところ、本番で解答用紙の巨大なER図を前にテンパってしまいました。午後IであまりER図が埋められなかったため自信をなくし、午後IIで論理設計を避けて物理設計を選んだ結果、知識不足、計算ミスが重なって合格点に数点足りない結果となりました。
しかし、実際のところ、午後Iは8割を超えており、他のミスを考慮すると「あまりできなかった」と感じたER図でかなり部分点を取れていたようです。二回目の受験では自信を持って論理設計を中心に選択し、合格することができました。

情報処理技術者試験のいいところ

世の中の資格試験、大半は法令や数値の暗記が中心であまり面白くないんですが、情報処理技術者試験、特に高度試験は大まかな知識を前提として読解力で解かせる傾向が強くて楽しく、モチベ高く取り組み続けられています。実は大学受験国語が得意だった人にオススメかもしれません。
肩書だけあってもしょうがないので仕事、趣味問わず学んだ知識のリンクに努めていきたいですね。

今後

ITストラテジスト、システム監査技術者あたりの論文系試験にも手をつけるか悩みどころです。
それよりは、Web開発の勉強を再開するか将来の保険に士業(社労士あたり)狙おうかな…。